Instagram(インスタグラム)には「Reels(リール)」という機能があり、ビジネスでの活用も期待できるとして大きな注目を集めています。この記事では、インスタグラムのリール機能の特徴やビジネスで活用するメリット、具体的な投稿方法などを詳しく紹介します。インスタグラムアカウントを運営している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
インスタグラムのリールとは?
リールとは、最大90秒の動画を投稿できる機能です。インスタグラムの通常投稿が1:1の正方形であるのに対して、リールは9:16の縦長サイズになっています。スマホを傾けることなくフルスクリーンで表示できるのがメリットで、近年若者を中心に人気を集めているTikTokと同じ、動画コンテンツにおいてトレンドの画角です。
リールは撮影した動画をそのまま投稿するだけでなく、音楽やエフェクトなどの編集機能を使って、よりユーザーの興味を引く動画コンテンツを作成できます。具体的な編集機能については後ほど詳しく紹介します。
投稿したリールは、以下の場所に表示されます。
フィードや発見タブでは、通常の投稿に混ざってリールも表示されます。リールタブはリール動画を簡単に見つけられるツールで、フォローしているかどうかに関係なくさまざまなユーザーが投稿したリールがフルサイズで再生されます。
リールを投稿しているユーザーのプロフィール画面にはリール欄が追加され、過去に投稿したリール一覧の表示が可能です
リールとストーリーズ・TikTokとの違いを比較
リールと同様に短い動画を投稿できるツールとして、ストーリーズやTikTokも人気です。ここでは、リールとストーリーズ・TikTokの違いについてみていきましょう。
リールとストーリーズの違い
ストーリーズはリールと同じくインスタグラムの機能のひとつで、写真や動画をスライドショーのような形式でシェアできます。ストーリーズの大きな特徴は、24時間経過すると投稿が非表示になる点です。リールは表示期間に制限がないため、24時間経過しても動画が消えることはありません。
リールとストーリーズは、投稿できる動画の長さも異なります。リールは最大90秒の動画が投稿できるのに対し、ストーリーズに投稿できるのは最大60秒の動画です。また、ストーリーズの動画は15秒で勝手に分割されてしまい、例えば60秒の動画を投稿すると4分割され、再生の途中で一瞬カットが入ってしまいます。リールの場合、90秒以内であれば途中で分割されることはありません。
リールとTikTokの違い
TikTokは、縦長サイズの短い動画を投稿できるSNSです。インスタグラムとはユーザー層が異なり、TikTokは学生を中心に若い世代のユーザーが多く利用しています。インスタグラムはユーザーの年齢層が幅広く、30代や40代のユーザーも少なくありません。
リールとTikTokは投稿できる動画の長さにも違いがあり、リールに投稿できる動画は最大90秒ですが、TikTokには最大10分の動画が投稿できます。
インスタグラムのリールをビジネスで活用するメリット
リールのビジネス利用には、以下のようなメリットがあります。
それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。
新規フォロワーの獲得につながりやすい
発見タブやリールタブにはフォローしているユーザー以外のリールも表示され、フォロワー以外にも表示される機会が多いため幅広いユーザーの目に留まりやすいのが特徴です。魅力的なコンテンツをリールに投稿することで、新規フォロワーの獲得が期待できます。
ただし、新規フォロワーの獲得にはリールの投稿だけでなくプロフィールの作り込みも重要です。リールをきっかけに興味を持ったユーザーがプロフィール画面を訪れたとき、投稿がほとんどなかったり自己紹介文が不十分だったりすると、フォローしてくれる可能性は低いでしょう。
リール経由で訪れたユーザーに「フォローしたい」と思ってもらえるように、リールだけでなく通常の投稿やプロフィールを充実させることも意識しましょう。
アカウント評価の向上につながる
インスタグラムの公式サイトでは、「さまざまなフォーマット(リール、ストーリーズ、Instagram動画など)でコンテンツをシェアすることが、新しいフォロワーの獲得やリーチの拡大につながります。」と明記されています。そのため、通常投稿に加えてリールの投稿にも力を入れると、アカウント評価の向上につながるのもメリットのひとつです。
「どうすれば発見タブに投稿を表示させられるのか」など、インスタグラムの表示ルールの詳細は公開されていません。しかし、インスタグラム公式がリールやストーリーズの投稿を推奨しているため、リールの活用によってフォロワーやリーチを伸ばせる可能性は十分にあります。
商品・サービスの認知拡大に有効
フォロワー以外にも広く表示されるリールは拡散力が高く、自社の商品やサービスの認知拡大が期待できるのもメリットです。リールをきっかけに認知拡大できれば、それに伴って売上の向上にもつながります。
インスタグラムには、商品の詳細や金額を表示してECサイトに誘導できるショッピング機能があり、ショッピング機能を利用しているアカウントはリールに商品タグの設定が可能です。商品タグを使うとリールから商品の詳細確認や購入ができるようになるため、リール経由の売上向上も期待できます。
ユーザーの購買意欲を掻き立てられる
動画は静止画よりも多くの情報を盛り込めるため、商品の使用イメージをよりわかりやすく伝えられます。商品のメリットや魅力が伝わり、具体的な利用シーンをイメージできるリールを投稿すれば、ユーザーの購買意欲を掻き立てられるでしょう。
また、先ほど紹介したショッピング機能を併用すれば、リールによって売上をより伸ばせる可能性が高くなります。
インスタグラムのリールの機能
リールには、以下のような機能が提供されています。
機能名 | 機能の概要 |
---|---|
サウンド | 動画にBGMや効果音を設定する |
速度 | 動画の速度を調整する |
エフェクト | クリエイターが制作したエフェクトで動画を加工する |
タイマー | 撮影前のカウントダウン・長さを指定して動画を撮影する |
長さ | 動画の長さを調整する |
レイアウト | グリッドやサイズを変更する |
デュアル | 背面カメラとインカメラで同時に撮影する |
分析 | リールの再生数やコメントなどを確認する |
以下で、それぞれの機能について詳しく紹介します。
編集機能
まずは、リールに投稿する動画を編集する機能についてみていきましょう。
サウンド
サウンドは、動画にBGMや効果音、アフレコを追加できる機能です。BGMを設定するときは、編集画面の一覧に表示される曲のなかから好きなものを選べます。一覧に表示されない曲をリールに使うと著作権違反となる可能性があり、著作権違反をすると企業やブランドの信頼を損ねるため、ビジネスアカウントでは特に注意してください。
速度
速度は、動画の撮影速度を調整できる機能です。「×0.3倍」「×3倍」などあらかじめ段階的に細かく倍率が用意されているので、そのなかから好きな倍率を選んで動画の速度を調整します。
エフェクト
エフェクトは、ARカメラを使用して動画にさまざまなフィルターをかけられる機能です。インスタグラムが提供するエフェクトに加えて、さまざまなクリエイターが制作したエフェクトも利用できます。エフェクトを効果的に使用することで、オリジナリティやインパクトのある動画に仕上がります。
タイマー
タイマーを設定すると、撮影開始までのカウントダウンが可能です。また、あらかじめ動画の長さを設定した撮影もできます。これらのタイマー機能は、ハンズフリーで撮影したいときに便利です。
長さ
長さは、動画の長さを調整できる機能です。15秒・30秒・60秒・90秒の4種類のなかから好きな長さを選択します。
レイアウト
レイアウトは、グリッドや動画サイズの変更ができる機能です。複数の動画を一画面に並べて表示させるときに使います。配置は6パターンあり、2〜6分割の配置が可能です。
デュアル
デュアルは、背面カメラとインカメラで同時に撮影できる機能です。背面カメラの映像がフルスクリーンで表示され、その上にインカメラの映像がやや小さめに表示されます。例えば、「背面カメラで風景を撮影しながらインカメラで自分のリアクションを撮影する」といった使い方が可能です。
分析機能
分析機能は、投稿に対するユーザーからの反応を確認できる機能です。自分のプロフィール画面でリールタブを開くと、リールの再生回数やコメント、いいねの数が確認できます。
インスタグラムのリールの投稿方法
リールは、次の手順で投稿できます。
- リールの作成画面を開く
- 動画の撮影・編集
- キャプション・カバーの設定
以下で、実際にリールを投稿するときの具体的な手順を解説します。
1.リールの作成画面を開く
はじめに、以下の手順でリールの作成画面を開きます。
- プロフィール画面で右上の+ボタンをタップ
- 表示されるメニューのなかから「リール」を選択する
上記手順のほか、ホーム画面右上の+ボタンや、ホーム画面の右スワイプで表示される投稿作成画面で下のメニューから「リール」を選択する方法もあります。
2.動画の撮影・編集
リールの作成画面を表示したら、以下の手順で動画の撮影・編集を行いましょう。
- 画面中央の丸いボタンをタップして撮影する
- 画面左側に並ぶツールを使って編集する
編集ツールとして、先ほど紹介したサウンドや長さ、エフェクトなどのアイコンが並んでいるので、BGMや再生速度などを好みに合わせて設定してください。
3.キャプション・カバーの設定
編集が完了したら、以下の手順で投稿します。
- リールの表紙となるカバー(静止画)を設定する
- キャプションを入力する
- 画面下部の「シェア」をタップ
カバーに設定する静止画は、プロフィール画面のリール一覧やハッシュタグ検索、発見タブなどに表示されます。リールを見たいと思えるような画像を設定しましょう。
キャプションには通常投稿と同様にハッシュタグが入れられるので、検索でも表示されるように関連するハッシュタグも入れておくのがおすすめです。
インスタグラムのリールを投稿する際の注意点
リールを投稿する際には、再編集できる項目が限られている点に注意してください。一度投稿したリールは、サウンドやエフェクト、再生速度などの変更や追加はできません。投稿後に再編集できるのは、カバー・キャプション・タグ付けのみです。
動画の内容を編集したい場合は、一度投稿を削除して新たに投稿し直す必要があります。投稿を削除すると、それまでの再生数やコメント、いいねなども一緒に消えてしまうため、できれば再投稿は避けたい方法でしょう。このような事態を防ぐため、編集内容に問題がないかしっかり確認してから投稿してください。
インスタグラムのリールを保存する方法
自分が投稿したリールを保存するには、保存したい動画を再生中にメニューボタンをタップし、「デバイスに保存」を選択します。この手順で、端末に動画が保存されます。
他人が投稿したリールを保存する機能は、インスタグラムの公式アプリには提供されていません。他人の動画を保存したい場合は、別途アプリなどを利用する必要があります。
インスタグラムのリールを投稿出来ない原因と対処方法
稀に、リールを投稿できないことがあります。リールを投稿できない原因として、以下が考えられます。
それぞれの原因と対処方法について、以下で詳しくみていきましょう。
インスタ側で不具合が発生している
何らかのエラーメッセージが表示されたり、画面をタップしても先に進まなかったりする場合は、インスタグラム側に原因がある可能性があります。
リールが投稿できないときは、Twitter(ツイッター)などインスタグラム以外のSNSでほかにも同じように不具合が出ている人がいないか調べてみましょう。「インスタ 投稿できない」「インスタ エラー」などのキーワードで検索して、リールを投稿できないという声が多く見つかった場合は、インスタグラムに障害が発生している可能性が高いです。
ネットの通信環境やスマホに問題がある
インスタグラムに画像や動画を投稿するには、インターネットに接続している必要があります。リールが投稿できないのは、通信環境に問題があるのかもしれません。例えば、電波状況が不安定でアップロードに時間がかかりすぎると、エラーになることがあります。キャリアの通信制限がかかっていないか、接続しているWi-Fiに問題がないかなど、電波状況をチェックしてみてください。
また、スマホのOSやインスタグラムアプリのバージョンが古い場合も、不具合が起きる原因のひとつです。電波状況に問題がなかったときは、OSやアプリのバージョンが最新になっているかどうかも確認しましょう。
投稿データに問題がある
インスタグラムの規定やルールに違反している動画は、リールに投稿できません。例えば、規定より長い動画を投稿しようとすると、エラーが出るようになっています。「ほかの動画は投稿できるのに、特定の動画だけエラーになる」といった場合は、動画のサイズや長さ、ハッシュタグなどを調整してみてください。
そのほか、動画そのものや動画内に流れている音楽などが著作権に違反していると、投稿できないケースがあります。著作権違反の場合は、投稿できたとしてもすぐに削除されてしまうこともあるため、リールに投稿する映像や音楽には注意してください。
インスタグラムのリールを効果的に活用するためのポイント
ビジネス目的でリールを効果的に活用するには、以下のポイントを意識しましょう。
以下で、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
おすすめ表示を狙う
フォロワー以外にも多くのユーザーにリールを見てもらうためには、おすすめ表示されるような動画を投稿することが大切です。具体的には、インスタグラム公式が運営するアカウントが推奨する、以下のような要素を取り入れた動画を作成しましょう。
おすすめ表示されるかどうかでリールの再生数が大きく変わってくるため、積極的に上記のような要素を取り入れておすすめ表示を狙いましょう。
適切な導線設計を行う
リールはフォロワー以外の人にも動画を見てもらえるのがメリットですが、そこから最終的にブランド認知や売上につなげるには、その後のアクションを促す導線設計も重要です。まずは、「フォローしてほしい」「ECサイトを見てほしい」など、ユーザーにどのようなアクションをしてほしいのか具体的に考えてみてください。
例えばフォロワーを増やしたい場合は、動画のなかに文字や音声で「フォローしてね」と入れておくと効果的です。導線設計が不十分では、動画の再生数は伸びてもフォロワー増加や売上向上などにはつながらないケースもあるため、リールから次のアクションに誘導するよう意識しましょう。
ハッシュダクを使いこなす
リールには通常投稿と同じようにハッシュタグを付けられるので、検索からも動画を見つけてもらえるようにハッシュタグを使いこなすことも大切です。ターゲット層にマッチした適切なハッシュタグを設定すると、アプローチしたい層に的確にリールを届けられます。
例えば季節系の商品を扱っている企業やブランドなら、「クリスマス」「ハロウィン」など季節ごとに多くのユーザーが検索しそうなワードを盛り込みましょう。
業界別:インスタグラムのリールの活用例
最後に、業界別のリールの活用例を紹介します。
飲食業界・アパレル業界・小売業界での活用例をそれぞれ紹介するので、チェックしてみてください。
飲食業界で活用する場合
飲食業界では店舗の内装やスタッフを動画で紹介すると、お店の雰囲気が伝わりやすいのでおすすめです。通常は入れないキッチンの様子や、スタッフが実際に調理しているところを映した動画も、ユーザーがお店に興味を持つきっかけになります。
そのほか、期間限定メニューに関する情報の発信もユーザーに喜ばれるでしょう。このように、飲食業界では「お店に行ってみたい」という気持ちを呼び起こすような内容のリールが効果的です。
アパレル業界で活用する場合
アパレル業界では、コーディネートの紹介などがおすすめです。静止画だけでは伝わりにくい商品の質感や細かいポイントを動画で紹介すると、ユーザーの購買意欲をより掻き立てられます。
ECサイトを運営しているなら、ショッピングタグを設定しましょう。リールからECサイトへ導線を作っておくと、購買意欲が高まっている人をECサイトにスムーズに誘導でき、売上につなげられます。
小売業界で活用する場合
小売業界では、商品の使い方の解説や実際の利用シーンを動画にすると効果的です。アパレルの商品と同様に、静止画だけでは伝えにくい情報をリールに投稿することで、商品に興味を持ってもらいやすくなります。
例えば、暮らし系のアイテムを取り扱う店舗なら、収納の裏技やアイデアに関する情報を発信するのもおすすめです。ターゲット層が興味関心を持ちそうなリールを充実させると、フォロワーやファンの獲得も目指せます。
インスタグラムのリールをビジネスで活用しよう
インスタグラムのリールはフォロワー以外のユーザーにも動画を見てもらえるチャンスが多く、ビジネスで活用するとブランドの認知拡大が目指せます。リールをきっかけに興味を持ってもらえれば、自社アカウントのフォロワー数向上にもつながるでしょう。
ただし、フォロワーやファンを獲得するにはリールの投稿だけでなく、日々のアカウント運営のなかでフォロワーを増やすための取り組みに力を入れる必要があります。
Autolikesは、インスタグラム・ツイッターのアカウント運用アプリです。フォロワーを効率的に増やすための仕組みが多く搭載されていて、業界最安値で運用コストを抑えられるのも魅力。インスタグラムをビジネス利用している企業は、ぜひ活用してください。