Instagram(インスタグラム)は、個人利用だけでなくビジネスにもよく活用されているSNSです。インスタグラムを使ってブランドのファン獲得や売上げアップを目指すなら、エンゲージメント率を意識してアカウントを運用するのが重要なポイントとなります。
本記事では、インスタグラムのエンゲージメント率について詳しく解説します。エンゲージメント率の重要性や、エンゲージメント率を上げる10の方法などを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
インスタグラムのエンゲージメントとは?
SNSのエンゲージメントとは、「いいね」やコメントといったユーザーから寄せられた反応のことです。エンゲージメントはもともと「契約」「約束」などの意味を持つ英単語ですが、ビジネスやマーケティングの世界では「企業と顧客とのつながり」を表す指標として使われています。
各SNSによって何をエンゲージメントとするかが異なり、インスタグラムでは「いいね」「コメント」「投稿の保存」の3つをエンゲージメントとしてカウントするのが一般的です。
インスタグラムでエンゲージメントが重要な理由
インスタグラムのアカウントを運用する上で、エンゲージメントを伸ばすことはとても重要です。なぜなら、投稿に反応してくれるユーザーが多いほどファンの獲得や売上の向上が期待できるからです。
SNS運用ではフォロワー数を伸ばすことを目標とする場合もありますが、いくらフォロワーが多くても、エンゲージメントが少ない投稿は「投稿がユーザーの目に留まっていない」「共感や理解されていない」といった可能性が高いです。
一方、エンゲージメントが多い投稿はたくさんのユーザーがわざわざアクションを起こしてくれているため、それだけ投稿内容が支持されていると考えられます。
SNS運用の目的としてファンの獲得や売上げアップを目指しているなら、投稿に対して支持や共感してくれるユーザーを増やすことが大切です。支持や共感されているかどうかを測る指標として、単純なフォロワー数だけでなくエンゲージメントを意識する必要があります。
インスタグラムにおけるエンゲージメント率の計算方法
投稿に対する反応の数をエンゲージメント数、反応の割合をエンゲージメント率と呼びます。インスタグラムは公式のエンゲージメント率が表示されないため、自分で計算しなければなりません。インスタグラムのエンゲージメント率は、以下の計算式で求められます。
エンゲージメントの総数は、「いいね」「コメント」「投稿の保存」の数を合計したものです。「投稿のシェア」もエンゲージメントとしてカウントしたい場合は、シェア数を総数に含めたうえで以下の計算式を用いてください。
エンゲージメント率(%)=エンゲージメントの総数÷フォロワー数×100
エンゲージメント率の計算方法は各SNSによって異なります。インスタグラム以外のSNSは別の計算式を用いるため注意してください。
インスタグラム運用におけるエンゲージメント率の目安
インスタグラムのエンゲージメント率の目安は最終的な目標や業界などによって変わってくるため、一概に「○%を目指すべき」とはいえません。ただし、Rival IQによる2022年の調査レポートでは、インスタグラム全体のエンゲージメント率の平均は0.67%とされているので、これがひとつの目安となります。
あくまで全体での数値になるので、ベンチマークしている他社の反応や自社で運用してきたこれまでの数値などを参照しながら、目標値を決めると良いでしょう。
インスタグラムのエンゲージメント数を確認するには
インスタグラムは、「インサイト」という公式の分析ツールを提供しています。インスタグラムのエンゲージメント数を確認したいときは、インサイトを活用しましょう。
ここではインサイトの概要と、確認できる主なデータについて解説します。
インスタグラムのインサイトとは
インサイトは、インスタグラムが提供している分析ツールです。インスタグラムの公式アプリから無料で利用でき、エンゲージメント数やインプレッション数などを確認できます。
インサイトを表示するためには、アカウントの種類を「ビジネスアカウント」もしくは「クリエイターアカウント」に設定する必要があります。プロフィール画面の設定メニューにある「プロアカウントに切り替える」からアカウントの種類を変更できるので、まずはインサイトが利用できるアカウントに設定を変えましょう。
ビジネスアカウントもしくはクリエイターアカウントに切り替えると、プロフィールからインサイトが利用できるようになります。
インサイトはモバイルアプリでのみ利用できる機能なので、エンゲージメント数を確認したいときはPCではなくスマートフォンのアプリからアクセスしてください。
インスタグラムのインサイトで確認できる主なデータ
インスタグラムのインサイトで確認できるデータは、アカウント全体に関するものと、投稿やストーリーズなどコンテンツごとに確認できるものがあります。
アカウント全体に関するデータとして、以下のようなものが挙げられます。
最近のハイライト | 一定期間内におけるパフォーマンスの注目すべき増加 |
インサイトの概要 | リーチしたアカウント数、アクションを実行したアカウント数、フォロワー数など |
合計フォロワー | フォロワーの増減やフォロワー属性の傾向 |
コンテンツごとのデータは、以下のような項目が確認できます。
リーチしたアカウント数 | 一定期間内に1回以上コンテンツを表示したユーザー数 |
アクションを実行したアカウント | 一定期間内にコンテンツに対してアクションしたユーザー数 |
コンテンツでのインタラクション | ユーザーからのアクションの内容 |
インスタグラムのエンゲージメント率を上げるには
インスタグラムのエンゲージメント率を上げたいと思っているものの、具体的にどのようなことをすべきなのかわからずに悩んでいる人もいるでしょう。
ここでは、インスタグラムのエンゲージメント率を上げるための10の方法を紹介するので、チェックしてみてください。
ペルソナを設定する
インスタグラムのアカウント運用に限らず、マーケティングにおいて重要なのはペルソナの設定です。ペルソナとはターゲット像を一人の具体的な人物に落とし込んだもので、年齢・性別・職業・趣味・ライフスタイルなどを細かく設定します。「どのような人にフォローしてほしいのか」を明確にして、ペルソナを作り上げましょう。
ペルソナを設定しておくと「ペルソナに響く投稿はどのような内容か」というユーザー視点でのアカウント運用がしやすくなります。SNS担当者が複数いる場合には、ペルソナを共通認識としておくことで投稿ごとの整合性を保ちやすくなるのもメリットです。
ペルソナを設定する際、すでにインスタグラムのアカウントを運用中の場合は、現在のフォロワーの属性も確認してみてください。インサイトのメニューからフォロワーの居住地や年齢層、性別などが確認できるので、現在どのようなユーザー層から支持されているのかもペルソナ設定時の参考になります。
ユーザー目線で投稿を作る
ユーザーに何かしらの反応をしてもらうためには、ユーザー目線で投稿を作ることが大切です。一方的に届けたい情報を発信するのではなく「どのような投稿ならペルソナに好まれるか」を意識しましょう。
ペルソナを細かく作り込むほど、投稿内容を考えるときの参考になるユーザーの好みや生活パターンなどをイメージしやすくなります。ユーザー目線の投稿ができるように、はじめにしっかりとペルソナを設定しておきましょう。
統一感のあるアカウントにする
インスタグラムでは、アカウント全体で統一感を持たせることも重要です。インスタグラムは写真がメインのSNSで、プロフィール画面ではこれまで投稿した写真がずらっと並んで表示されるのが特徴です。プロフィールを表示したときに全体でひとつの世界観を演出できるような投稿を意識しておくとユーザーに興味を持ってもらいやすく、フォロワー数の増加やエンゲージメント率の向上が期待できます。
ひとつひとつの投稿内容も大切ですが、全体を通してどのようなアカウントに育てたいのかという軸を持っておきましょう。
定期的に投稿する
投稿の頻度が低すぎるとユーザーの目に触れる機会が少なくなるため、こまめに投稿しましょう。投稿の間隔が空きすぎるとフォロワーから忘れられてしまったり、アカウントが止まっていると思われてフォローを解除されたりする恐れもあります。
ただし、投稿は多ければ多いほど良いというものではありません。頻繁に投稿しすぎるとフォロワーのタイムラインを埋め尽くしてしまい、「しつこい」「ほかの投稿が見えない」など、せっかくフォローしてくれた人からの印象が悪くなってしまいます。
例えば1日に1回など、適切な頻度で継続的に投稿するのがポイントです。適切な投稿頻度は業界やターゲット層などによって異なるため、定期的にエンゲージメント率をチェックしながら最適な投稿タイミングを探ってみてください。
投稿日時を最適化する
インスタグラムの投稿は、「見てもらいやすい時間帯」に行うのがよいでしょう。フォロワーの職業やライフスタイルにもよりますが、多くの人がインスタグラムをチェックするのは通勤・通学や昼休み、帰宅から就寝までの時間帯です。そもそも投稿を見てもらえないとユーザーからの反応はもらえないため、なるべく多くの人に見てもらえる時間に投稿するように意識してください。
インサイトでは、エンゲージメント率の高い曜日や時間帯が確認できます。定期的に投稿と分析を繰り返し、インサイトを活用して最適な投稿日時を見極めていくのがポイントです。
ユーザーとのコミュニケーションを活性化する
インスタグラムなどのSNSは一方的に情報を発信するメディア媒体とは異なり、ユーザーとコミュニケーションをとりやすいのが大きな特徴です。ユーザーと積極的にコミュニケーションをとっておくと距離を近く感じてもらいやすくなり、ファン獲得やエンゲージメント率の向上が期待できます。
具体的な取り組みとしては、以下のようなものが挙げられます。
上記のような対応を心がけておくと「丁寧にコメントを返してくれたから、またコメントしよう」など、ユーザーに「反応したい」という気持ちが芽生えやすくなり、エンゲージメント率のアップにつながります。
また、ユーザーのアカウントにこちらからアクションを起こしにいくのも効果的です。自身のアカウントのファンになってもらえる見込みがありそうなユーザーを選定し、投稿にいいねやコメントを残してみましょう。ストーリーズの閲覧も、閲覧者一覧から確認してもらえる可能性があります。また、こちらからフォローをすると、どのようなアカウントからのフォローなのかを気にして投稿を見てもらえる確率が上がるため、エンゲージメントにもつながりやすいです。
ハッシュタグを活用する
フォロワー以外のユーザーにアプローチするには、ハッシュタグを活用しましょう。インスタグラムではハッシュタグ検索をする人が多く、ハッシュタグを付けるのと付けないのとではインプレッション数が大きく変わってきます。ハッシュタグ検索をする人は求めている情報がはっきりしているので、ハッシュタグ経由のアクセスはエンゲージメントを獲得しやすい傾向があります。
ハッシュタグを設定するときは、事前にどのようなタグがよく使われているのかチェックしておきましょう。投稿数が多いハッシュタグの方が、ハッシュタグ経由で投稿が見られる可能性が高まります。
「#ランチ」「#ホテル」など一般的なハッシュタグに加えて、地名や社名、ブランド名などを含めた具体性のあるハッシュタグも入れるようにしましょう。「#ランチ」などのハッシュタグは投稿数が多すぎて、他の投稿に埋もれてユーザーの目に留まらない可能性があります。
競合アカウントの投稿を分析する
競合となるアカウントが存在している場合、競合アカウントの投稿を分析することも大切です。競合アカウントのエンゲージメント率が高いのはどのような投稿なのかチェックし、投稿するときの参考にしてみてください。
競合アカウントの投稿を参考にするときは、自社アカウントの世界観やフォロワー層に合っているかどうかを意識しましょう。競合アカウントの投稿をそのまま真似するのではなく、参考にしたうえで自社アカウントの性質に合う内容にアレンジすることが大切です。
キャンペーンを開催する
「フォロー&いいねしてくれた人に抽選で新商品プレゼント!」といった投稿を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。このようなキャンペーンを開催するとフォロワーやエンゲージメントを獲得でき、ブランドや商品を知ってもらうきっかけにもなります。
キャンペーン参加の条件として、以下のようなものがよく採用されています。
エンゲージメント率を高めるには、コメントやいいねなどのエンゲージメントを参加条件とするキャンペーンが効果的です。
他のインフルエンサーとコラボする
他のインフルエンサーとコラボしてお互いの投稿にタグを付け合うと、それぞれのフォロワーが投稿を見に来てくれてエンゲージメント率が高まりやすくなります。同じ業界やフォロワー層のインフルエンサーとコラボすれば、相手のフォロワーが自社アカウントをフォローしてくれる可能性があり、新規フォロワーの獲得も可能です。
インフルエンサーに商品を提供して紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」に取り組む企業も増えていて、インフルエンサーとのコラボはエンゲージメント率だけでなく売上向上も期待できます。
インスタグラムのエンゲージメントを確認する上での注意点
インスタグラムのエンゲージメントを確認するときは、以下の2点に注意してください。
上記2つの注意点について、以下で詳しくみていきましょう。
フォロワー数が多いほどエンゲージメント率は下がる傾向
インスタグラムのエンゲージメント率はエンゲージメント数をインプレッション数やフォロワー数で割って算出するため、分母となるフォロワー数が増えるほどエンゲージメント率は下がる傾向にあります。例えばエンゲージメント数が同じ場合、フォロワー数が多いほうがエンゲージメント率は低くなります。
そのため、「最近エンゲージメント率が低下している」と感じたとき、その原因はフォロワー数の増加によるものかもしれません。エンゲージメント率が下がったときは、その原因を正しく見極めることが大切です。
エンゲージメント数にはネガティブな反応も含まれる
エンゲージメント率は高ければ良いというケースばかりではありません。エンゲージメント数は単純な数値で、内容に関係なくカウントします。ネガティブなコメントが多く寄せられた場合もエンゲージメント率は高くなるため、エンゲージメント率だけでなく実際のコメント内容を確認することが大切です。
特に、急激にエンゲージメント率が上がっている場合は投稿が炎上している可能性もあるので、すぐにコメント内容を確認するようにしましょう。炎上を放置していると、アカウントへの信用が低下してフォロワー数やファンが減ってしまう恐れがあります。
インスタグラムのエンゲージメント率をアップさせよう
インスタグラムのエンゲージメント率はファン獲得や売上につながる指標となるため、アカウント運用を工夫してエンゲージメント率の向上を目指しましょう。ペルソナ設定やハッシュタグの活用、ユーザーとのコミュニケーション活性化など、本記事で紹介したエンゲージメント率向上のための施策を取り入れてみてください。
ユーザーとのコミュニケーションを活性化するには、ツールの活用もおすすめです。Autolikesはインスタグラムの運用におけるフォロワー増加やエンゲージメント向上に役立つアプリです。ユーザーのフォローや投稿へのいいねを効率的に行い、アカウント運用をサポートします。1ヶ月間の無料お試し期間があるので、ぜひ活用してみてください。
エンゲージメント率(%)=エンゲージメントの総数÷インプレッション数×100